平成20年8月9日〜11日
西穂高〜奥穂高縦走       2泊3日 単独行


今回は、一人北アルプス屈指の難ルートと称される西穂高から奥穂高までの縦走にやって来た、家を6時に出てスーパーあずさにて松本に入り、新穂高温泉行きのバスに乗り、さらにロープウェイにて一気に標高2,156mの西穂高口駅に立つ、料金は大人1,500円プラス荷物代300円(10キロ以上有料)15キロなので荷物代を取られた、雨である。。。
皆雨宿りしてるがあまり此処で時間つぶすのももったいないので、チョット小降りになったところで合羽を着て出発!

駅から歩き始めて50分、山荘に到着、途中で雨が上がり晴天になったが、また何時雨が降り出すともわからないのがこの時期の高山、テント設営後ビールで喉を潤す、山荘にはなんと自販機が2台も設置されていた、ビール350ml 500円、500ml 700円、テント設営時の注意事項で熊が出るので注意してくださいって。。。。
チョットびびるじゃないの!
到着して1時間もするともうテントの張る場所が無い様子、雨宿りを途中で切り上げて大正解。





今回軽量化のため日本酒や焼酎もやめて、バーボンにし更に軽量化のため購入したポリカーボネート製のスキットルからバーボンをチビチビ飲んだり、ゴロゴロして時間をつぶしていると、西穂高山荘でプロ写真家によるフィールド写真講座が1000円で受けられますとのアナウンスがあった、へーどんなもんかとのぞいてみようかと一瞬思ったがやめといてよかった。
飲んでる俺のテントの前でその講座は始まった、「皆さん山に来たら花を撮ると思いますがそのときはまず、カメラについているチューリップマークにあわせてください」 えぇーそこからかよ。。。この先生、皆さんを馬鹿にしすぎだと思いきや、以外や以外受講生は皆マクロ未使用者ばかりなり、ほほぉーちゃんと商売になってるよ。
いやぁー受講しなくて本当によかった、その後受講生と先生は丸山まで写真を撮りにあがっていった、そうこうしているうちにまた雨、テントの前室でレトルトのカレーを調理、明日からはすべてドライフード、食後にスキットルのバーボンを半分飲んでしまい慌てて缶チューハイを山荘に買いに行く、350円也安い!
雨は相変わらず降っている、雷鳴も響いている、寒くなってきたのでフリースを着込みさて寝るかと思うのだが、隣の団体がうるさい、あまりにうるさいので「おい、うるさいよ」と何回か声をかけるも聞こえない様子で相変わらずうるさい、ついに我慢しきれず「おめーら、うるせーんだよ!」と俺の怒鳴り声と同時に、ほかのテントからも「コラー静かにせんかぁ!」との怒鳴り声でやっと静かになった。




翌日、AM2:00位から起き出す人があらわる、もうちょっと寝よ。AM3:00起床、空には満天の星空、今日の好天が見込まれる、4:15出発。
雨で水を吸ったテントが重くなっている、昨日飲み食いして軽くした分がチャラになる位の重さだ。
5:10独標通過、6:10西穂高に到着、さて此処からが今回の目的の西穂高〜奥穂高への縦走なのだ。
以前、前穂高〜奥穂高〜槍ヶ岳までの縦走をしたときに気にはなっていたけど、やり残していたコース、あの大キレットが普通の太線表記なのに、破線表記のこのコース相当の難路だと思うがいざ出発なのだ!






出発するといきなり急降下、長い鎖を降りて巻いてまた登り返す。

赤石岳を6:40通過、浮石だらけのもろい難所だが、考えてみると難所じゃない場所なんてこのルートには余り存在しない、だがものすごく難しい訳でもないし、注意して慎重に進めば全く問題は無いと思う。
間ノ岳周辺はグズグズの浮石だらけだが、ここも慎重に行けばなんら問題は無い、もっとも他人までそのつもりかはわからないので今回はヘルメットをかぶっている。
しかし、何でこんなにもグズグズなゴロゴロな山なんだろう?






間ノ岳から見ると今度は逆層スラブが見えてきた、なんなんでしょこの不思議な風景は?

逆層スラブは鎖もあるが、靴底のフリクションでぎりぎり登れる位の斜度、でもぎりぎりなので鎖を使うか、3点確保で登ったほうがよいでしょう。

7:50天狗岳到着。

天狗岳頂上には、こんな立派なビバーク適地がある、今回このコースを縦走してみたが、数箇所ビバークできる均された場所を見かけることが出来た。


天狗のコルにある避難小屋跡にもビバークポイントがある、此処から岳沢に降りるエスケープルートもあるが、ガレの連続のようだ。



天狗のコルを過ぎて、ルンゼ内の鎖場を登る。




結構疲れてきた、途中行動食のチョコパンを食いながらたまに休憩を挟みつつ行動する。
砂礫の斜面を登りコブの頭よりジャンダルムが見えた、西穂側からジャンダルムは意外と格好が悪い、西穂側から簡単に登れた。
ジャンダルムへは、途中でザックをデポし空身で登る、おぉ奥穂が見える此処まで来りゃあと少し、だが結構疲れてきたな。
ジャンダルムは信州側を巻く。




ジャンダルムはやはり奥穂側から見たほうが格好が良い。

                   ロバの耳



ロバの耳を越えて、休憩。
バテて来たのでエナジー補給、今回試したカーボショッツエナジージェルだ。
−20度でも凍らないので冬でも活躍しそうな、美味くも無いジェルを飲む、もう向こうには奥穂が見えている、しかしその前に今回の核心部、馬の背のナイフリッジがあるのだ。



馬の背は本当の馬よりも細い極端に尖った稜線を岩登りの要領で登っていく、技術的には難しくない、普段沢登りでやってるあの要領だ、ただし高度感があると言うか3,000mの高度なので恐怖心でパニックになるのを抑えつつ、あわてず慎重に登れば大丈夫、中には浮石と化したホールドもあったが、ホールドはたくさんあるので慎重に登れば難しくはない、ただし失敗したら確実に死ぬ場所でもある。
馬の背を超えると此処もナイフリッジなのだが、此処は馬の背より簡単というか、極端に狭い稜線なだけで立って歩けるしナイフ部分は数メートルしかない、もしかしたら馬の背で恐怖心が麻痺していたのかも知れないけどね。



11:00奥穂高岳到着!
振り向けばジャンダルム。
ついに西穂ー奥穂間縦走達成!
祝、俺!
このコース、技術的に難しい所は無いと思う、普通に沢登りが出来る人ならば大丈夫でしょう、技術よりも精神力と体力の問題だと思った。

つづく!