平成22年5月16日
富士山(3,775.6m)         前夜発日帰り


 今日は、富士宮口から富士山にやって来た、5月に新人のコバを連れて行く約束になっていたからだ、2年前にオイラ一人で来た時も富士宮口から登ったのだが、その時に不覚にも高山病の症状に見舞われた苦い経験が有ったので、今回は前夜に富士宮口5合目まで車で上がり、車中一泊し高度に体を慣らしてから登る作戦にした。

 前夜は霧が深く、駐車場までたどり着けないのでは?とも思われたがナントカ駐車場までたどり着き、軽く寝酒を飲んで就寝、翌朝朝飯食ったら出発なのだ。


 出発地点がいきなりの2.400mなので、でかい木何ぞ生えていない只々馬鹿でかいだけの斜面を気が遠くなりそうになりながら登り始める。

 2,500m地点に6合目 雲海荘前を通過し雪が出始める、7合目を超えた辺りからアイゼンを装着、今日は日曜日という事も有って、スキーヤー、スノーボーダー、更には何と呼べば良いのか知らないがスノースクートなるボードにハンドルが付いた物を持ち込んでいる人もいた。




 しかし、何度来ても富士山ってのは登り飽きるというか、いつまでたっても同じ様な景色が続くので非常に退屈な登りを強いられるので、冗談では有るが「もう良いんじゃねぇ?」とか「もう今日はやめよう」とか言いながら登っていく。

 元祖7合目を過ぎ、そろそろ登りに飽いた頃、上に見える8合目小屋を見上げて「あれが頂上ですか?」とコバが言う、「そんな訳無ぇーだろ!まだまだ上だよ!」どうやらコバはバテて来たようで、この辺りから遅れがちになる。




 二人とも登り飽きてきたので、8合目で休憩、「もうこの辺でも良いですよ。」とコバは言う、オイラの冗談を本気にしたのか、本心からそう思ったのかは定かではないが、「バカヤロー!上に行くぞ」と今までの自分の発言を全否定し登り始める。

 9合目にいく途中の柱には相変わらず小銭&階級章が奉納?されてて「何ですか?これは?」の質問にも「良くわからんが、小銭と階級章だよ」としか答えられず、果たしてなんでこんな所に食い込ませたのかは全く不明のまま更に上に登る。


 9合目でもまた休憩、この辺りから空気が薄くなっているのが実感できる、もっとも前回はこの辺で頭が痛くなってきたが、今回は5合目で高度順応の為に一泊した為ノープロブレム、更に上に行く、スノースクートの人達は8合目までしか登ってこなかった様だ、そりゃそうか重いし、南面とはいえカリカリだしね、9合目までで降りるスキーヤーも何人かいた、この先はいわゆる上手な人、エキスパート達が上に登っていく、まぁオイラ達も今日はスキーじゃないので上に登って行く、途中のコンビにで買ってきた酸素をコバが吸い一瞬元気になる、オイラは吸わんけどね。




 頂上直下で渋滞、スキーやボードを担いだ方々がヘバリまくってスピードダウン、ここが一番きつい場所だもんな、がんばって登ってねぇー、こっちもバテバテのコバには丁度良い休憩になった、傾斜が緩やかになると凍り付いた鳥居が見えた、こいつの先に頂上がある。



 これが富士山の火口、初めて見るコバは感動しきり、更に剣が峰に登り本邦最高地点を目指す、ここが日本最高地点の石碑、日本の文字まで雪に覆われています。
 新人コバもバテバテながらも良く登ってきたものだ、良くやった!





 上手い人達はここから火口目掛けて滑り降りている、すげぇーなぁやってやれない事はなさそうだけど、オイラはビビリなのでやはりヤラナイだろうなぁ、山頂の氷の陰で風を避けながら昼食とする、下山路は御殿場口から降りて宝永火山経由で富士宮口着のつもりで出発した、だがしかし御殿場口の下山路は凍てつき少し危ない感じだったのでコバもいるし、やっぱ富士宮路を下る事にしたのだが、それには凍った急斜面をトラバースしなければならない、慎重に凍った斜面をトラバースする事しばし、ようやく本来のコースに戻る事ができた。


 後はまたもや面白みの無いだだっ広い雪渓の下りになる、斜面が少しなだらかになれば後はシリセードで下る、まぁ馬鹿でかい滑り台とでも言おうか、しかし6合5勺をすぎると雪も汚れてきてその先はヘタクソなグリセードもどきで下っていく、雪も無くなりしばらく歩くと駐車場に到着、お疲れ様でした。

富士宮口駐車場出発 06:50
6合目通過 07:07
8合目小屋 09:50
9合5勺通過 11:35
頂上火口到着 12:35
剣が峰着 12:55
山頂発 13:35
8合目小屋 15:10
富士宮口駐車場着 16:38