平成21年1月11日
塔の岳(書策新道〜塔〜天神尾根) 単独行

今年の登り初めとでも言おうか、急に思い立ってやってきたのが戸沢、今まで丹沢って何回も来ているが書策新道って使ったことが無い、そんなら今日は書策新道を通って表尾根から塔の岳、大倉尾根から天神尾根で戸沢のコースはどうだろうって事でやって来た。
看板があるのにいきなり入り口を間違え少し本谷沿いを歩いてしまう、途中で引き返すのも面倒なので右岸を登り書策新道と合流、ちゃんと看板を見ましょうって感じだな、しばらく歩くと、本谷F5手前のガレ場でおじさんが手伝ってくれと言ってきた、何を手伝うのって聞くと、人がガレ場から落ちたらしい。
よく見るとガレ場のトラバースの下にビールが散乱している、降りてって話を聞くと、歩荷の人が落ちて動けないのだという、ザイルも何も無いのでトラバースに張ってあったフィックスロープとは別のザイルが引っ掛けてあったので拝借し解いていると後から人がやってきたので協力を仰ぐ事に、その後もう一人現れ、オイラとWさん(おじさん)と、それぞれ単独行の登山者KさんとUさんの計4名の通りすがりの人たちの俄か救助隊が結成されたのだ。
落ちた人に救助要請するかと聞くと、しなくて良いというが、どうにも動けないらしい、ザイルを張って下に降りて話を聞くと、本人の自己診断では足の骨は折れてはいないが、多分股関節の脱臼をしているので動けないという、しかも頭から血を流しているので(後日連絡が入り、この時の状況は足の付け根の粉砕骨折及び肺にアバラ骨が刺さっていたと言う)オイラが救助要請の電話を110番した、現場はオーバーハングしているので全く動けない人を上げるのは無理と思われ、その場で救助を待つことにしたのだが、そこは日陰、取りあえず皆の合羽やジャケット、手袋を手当たり次第重ね着させたのだが、まだ寒いというので、このチームで唯一山岳会に所属しているUさんがツェルトを出し、中でガスを燃やし暖かい飲み物を飲ませる。

すぐにあきらめたクライマー↑         
110番後に携帯を常に繋がる様にしておいてくれとの警察の要請があったので、オイラはチト高い場所で待機、何度か警察や消防と連絡を取り合うのだが、場所がよく分からないらしい、戸沢から書策新道を通って、本谷のF5にぶつかる50m手前の場所だって言ってるのに分からない模様。
え?かいさく?どういう字ですか?
書道の書に策を練るの策、後は横浜新道の新道です。
分かりました、作戦の作ですね!
イエ、違います、策略の策です。。。
などなど、どうにもトンチンカンでオペレーターには土地勘が無いみたいだ、その後何度も警察と消防の両方に渋沢の駅からの来方を教えてあげたりしていると、沖の源次郎で練習するというクライマー2名が通りかかって救助に参加してくれるという、「大丈夫ですよ我々はクライマーですから上げられます」との力強いセリフとは裏腹に、現場を見てあっさりあきらめて、さっさと行っちまいやがった、その後何度か警察と消防と連絡を取り合い、ついにヘリ出動!
しかし、受け答えしてるオイラの携帯が鳴る度に着信音の「天国への階段」ってのは、この状況下でちょっと調子悪いよなぁ、、、なんて思っちゃたりした。
10:52分にヘリは出ましたんで、後10分〜15分程で現場に到着すると思います、どんな服装か教えてください、もう少し待ってください、との電話からきっかり10分後ヘリが超低空飛行でやって来た、沢筋を舐めるように飛んでくるのでオイラたちは両手を振ってお出迎えする。

バラバラバラバラ、沢筋を超低空飛行なので、樹が邪魔で中々発見してもらえない、ようやく発見してもらった、しかしすごい風だ、半端じゃないよヘリの下って、いろんなモンを巻き上げまくって、ツェルトや合羽等吹っ飛んじゃったよ、日向でもじっとしていると寒いが着るものを貸しちゃったので寒いオイラとKさんとWさんは現場の上(日向)にいたのだが、慌ててオイラも下に降りてUさんと滑落した歩荷の服を抑えて飛ばない様にしたのだが物凄く寒い!
そのうち隊員一名が降下!
気流や枝の関係で沢床のチョイ下に降りた模様、様子を伝え、やっぱり全く動けない様なので、この場からヘリで直接吊る事になった、取りあえずヘリは何処か上空で待機、全身を包み込むようなハーネスを装着し吊り上げる、またヘリが来ますので荷物等飛ばされないようにしてください!
ひょえぇーまた寒くなるのう、しかも真上に来るってか?落ちたらオイラもお陀仏だぜ、こりゃ。
無事に吊り上げられて、病院に搬送されていったのを見送ってUさんとお疲れ様の握手、その後ヘリで一緒に運ばれていった皆の衣料等を引き上げるのに、搬送先の病院を秦野警察に一括して聞いてくれる役目をUさんが引き受けてくれたので、皆の連絡先を教える、もっともオイラはハーネスを装着する際に、自分の合羽を回収しといたので用は無いんだけどね、合羽のケースは何処かに飛んでっちゃったから、入れ物だけ何処かで買うことにしよう。
救助要請してから、引き上げまで3時間、落ちたのが休日で良かったよ、コレが平日だったら人が通らないから凍死してるよ。
今日は山荘で宴会の予約が入ってたのでビール48本とそれ以外に少し荷物を持っていたので重かったんでしょうな、その後穴の開いた缶ビールの中身を全部捨てて潰しビニールへ詰める、Uさんが降ろすのだと言う、ではよろしくお願いいたします、とUさんに別れを告げ、時間も時間だが折角来たのだからと二人は新大日に、オイラはそのまま書策新道を登る。
Wさんはチョット休憩するというので、本谷F5でお別れした、Wさんには色々なお話や参加されてる大山クリーンピアのバンダナや写真を頂きました、ありがとうございました。
書策新道から直接、木ノ又大日に出る道を、WさんとUさんに教えてもらった、白竜の滝の手前にこんな看板があるところを踏み跡を拾って登っていくと気持ちいい風景を楽しみながら木ノ又大日に直接上がれるらしい。

コレが、踏み跡、此処を登っていけばOK!

白竜の滝         
さて、それでオイラとKさんは先ほどWさんから教えてもらったマンガン坑道跡(大日坑道)を見物しようと、チョイト寄り道を。

へぇこんな所あったんだね、中は真っ暗で上から水が滴り落ちてきます、面白いなぁ、丹沢奥深けぇー!
さて登山道に戻り、Kさんは、さっきの道を木ノ又大日に登るというので、此処でKさんに別れを告げ、一人雪の書策新道を歩く、事故現場から1時間で書策小屋にでる。
時間はすでに1時、取りあえずお湯を沸かしカップラーメンの準備をしがてら、ワンカップで一人乾杯、さてどうすっかねぇ、もうこの時間からじゃ遅いから政次郎尾根でも降りちゃおうかと行者岳方面を見ると烏尾山の上にパラグライダーの群れ、気持ち良さそうだけど寒そうだね。
飯食い終わって、結論はさっさと登って降りちゃおうってことで塔の岳まで行っちゃうことに。
塔に到着、トイレに行って、休まずに降りる。
降りようとすると、尊佛山荘の名物歩荷、一年中短パン野郎な方がポリタンク背負って大倉尾根を登ってきた、以前真冬に見かけた時もやはり短パンだった、そのときは上もTシャツだったように記憶している、絶対寒いよなぁ、寒く無いのか?

今日は思いもよらずに、救助活動の手伝いをしたけど、貴重な経験が出来たと思う、まずは大事に至らなくて良かった良かった。
天神尾根を降りているときに、先行パーティーを何組か追い抜いたのだが(こっちは単独行なので速い)一つのチーム(年のころは60歳位か)オイラが追いついていくと「何か後ろから来てますよ、道空けて」とリーダー格が皆に声を掛けた。
「ありがとうございます、すいませんねぇ、何かで!」
こんな奴らにもちゃんとお礼を言えちゃうオイラって礼儀正しいよね、ちょっと回りに気を使いすぎかも?
大倉尾根から、金冷やし、花立、天神尾根、戸沢。
戸沢出発 08:15
F5手前滑落現場着 09:08
同上地点出発 11:54
新大日へ至る分岐 12:07
白竜の滝 12:16
マンガン坑道跡地 12:23
書策小屋着 12:59
書策小屋発 13:15
塔の岳着 14:00
戸沢着 15:24